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電子ピアノ(多機能型)の選び方電子ピアノは、住宅事情その他の問題から ピアノが置けないお客様のために開発された楽器で、 その発売当初からピアノにどれだけ近づけられるか という試行錯誤が行われて来ました。 また、鍵盤タッチ・ピアノ音色の改良とともに、 夜間練習用にヘッドホン端子が装備されたり、 録音再生がより効果的に行えるように SDスロット・USB端子が搭載されるなど、 電子楽器特有の改良もなされて来ました。 現在では国産2大メーカーのヤマハ・カワイをはじめ、 コンピューターミュージックで評価の高いローランド、 低価格帯の電子ピアノに、圧倒的な強さのあるカシオ、 最近スタイリッシュ電子ピアノに特化しているコルグ、 以上の5メーカーが現在主要メーカーとなっています。 こだわりコラム:ピアニストと電子ピアノ(デジタルピアノ)電子ピアノというと、プロのピアニスト・演奏家の方は 使わないものだと思われがちですが、 実は、ご自宅やスタジオでのピアノ練習・音楽制作に 結構お使いになっています。 当店では、本格的輸入ピアノをはじめ、 各メーカーのピアノを幅広く取り扱っている事から、 ピアニスト・作曲家・指揮者の方など いろいろな音楽家の方々からも相談があります。 NHKの映像音楽やドラマ『白い巨塔』の音楽などを担当され、 作曲家・ピアニストとして活動をされている加古隆さんからも、 スタジオに新しく入れる電子ピアノのご相談をいただきました。 加古さんの場合、スタジオには本格的輸入ピアノとして有名な、 ベーゼンドルファーのグランドピアノがあるので、 これに近いタッチで使えるものを希望されました。 カタログ記載の各機種のセールスポイント以外の、 鍵盤タッチに対しての微妙なこだわりについても、 何度かご相談しながら、最良な選択が出来ました。 この他、ジャズピアニストをされているお客様や、 海外在住のピアニストの方からもご相談いただき、 その都度、ご説明・アドバイス等いたしましたが、 皆さんに共通する部分がいくつかありましたので、 非常に興味深いと思いました。 ショールームでは、一般ユーザーのみなさまにも、 最良な選択をいただくための有益なアドバイスを、 行っておりますので、機種選びに迷われましたら、 お気軽にお声かけください。 ヤマハの多機能型電子ピアノの主力モデルは、CVPシリーズになります。 鍵盤タッチ・音色・外装・デザインなど総合的な面で及第点と言えるでしょう。 特に、CVPシリーズの特徴でもあるガイド機能や、 上級モデルのグランド型のフォルムも気に入られる方が多いです。 反面、今ひとつ特化しきれていないといった面もあり、 特に鍵盤タッチ・音色の面では 一般の高い評判ほどではないのが残念なところです。 また数年使用後のタッチ感の劣化・故障が、 他メーカーよりもだいぶ多いのは大きな欠点で、 この点については、長く良い状態で愛用していくための 各種アドバイスをいただいて、 楽器の欠点をうまく補いながら使っていく事が大切になると思います。 その点では、ご購入される楽器店選びも重要になると思います。 カワイの多機能型電子ピアノの主力モデルは、CAシリーズになります。 カワイの電子ピアノの基本コンセプトは、基本性能重視型同様、 前述のピアノにどれだけ近づけられるか(音色・タッチのリアルさ) という点を最重要視しています。 木製鍵盤採用の電子ピアノ特有の注意点もありますが、 ピアノタッチ・ピアノ音色などの基本性能重視の方には、 カワイCAシリーズのコストパフォーマンスはおすすめです。 特に新型木製鍵盤搭載のCA95・CA65は、 他のメーカーの電子ピアノでは あまり重視していないピアノとしての基本性能面と、 鍵盤タッチの質感を重視している機種である事に加えて、 (ヤマハの木製鍵盤&ピアノアクション搭載の 高額機種よりもタッチ感に優れています。) 今までカワイが苦手としていた多機能搭載の電子ピアノに、 一石を投じる機種となっています。 デジタルレコーダー等のレッスン機材を併用する事で、 自宅でのピアノ練習・演奏が幅広く楽しめる様になりました。 なお、カワイCA95・CA65はいわゆる量産の電子ピアノではなく、 他の競合機種と比べて、タッチとピアノ音色のクオリティーがだいぶ優れているので、 おそらく、2012年度は、かなりの人気品薄状態が続くと思われます。 そこで、当店では現状を先取りしまして、特別受注枠と先行内覧会を準備しました。 CA95・CA65を、他社ピアノと共にショールーム同時比較試弾出来るのはもちろん、 各メーカー・モデルの鍵盤機構・タッチ・ピアノ音色と、 ピアノや他の電子ピアノと比べた際のメンテナンス性の、 違いや特徴を詳しく説明出来る準備をしています。 カワイの木製鍵盤採用のモデルCA95・CA65・CA13の3機種のみ限定して比較しても、 鍵盤機構・タッチ・音色等、各々異なりますので、大変参考になる内覧会と思います。 ローランドの多機能型電子ピアノの主力モデルは、KRシリーズになります。 コンピューターミュージックで定評のあるローランドは、 その音源に特徴があり、非常に耳ざわりの良いピアノ音色が特徴です。 また、ピアノ以外のマルチ音源の部分についても、 オーケストラ演奏をさせるのに使いやすい音が揃っています。 反面、前述の2メーカーと異なり、ピアノの製造は全く行っていないので、 ピアノタッチの部分では若干ぎこちない部分があるとも言えます。 (完全にメンテナンスされたグランドピアノや、 本格的輸入ピアノと比較試弾すればよく分かります。) また、エントリーモデルのRP-301やF120などは、ピアノからほど遠いので、 ちょっと残念なタッチ感の電子ピアノです。 従いまして、生ピアノへの移行・レッスンを将来的にも考えていない大人の方向けの、 コンピューターミュージックに活用するための鍵盤入力機材というご用途等で、 お使いいただく様なケースにおすすめだと言えると思います。 なお、現行HPシリーズの後継モデルが2012年2月に発売されました。 主な仕様変更は音源・最上位モデルの鍵盤機構の改良などです。 HP-507は従来機種に比べて評価出来る部分がありますが、 他の機種はピアノに近い自然な感触という点では、 まだまだなので、ちょっと微妙な状況です。 ピアノタッチ・ピアノ音源にあえて順位を付けるとすると、 HP-507>HP-505>HP-503>>>RP-301≒FP-120 というのが、私の評価です。 4 カシオ(CASIO)(カシオ電子ピアノ・デジタルピアノ機種一覧) カシオの多機能型電子ピアノの主力モデルは、APシリーズになります。 高性能・高機能&低価格で定評のあるカシオは、 今年のモデルチェンンジで鍵盤タッチ・ピアノ音色がかなり良くなりました。 (他の各メーカーもモデルチェンジが行われましたが一番変わったと思います。) 特に新しく採用されたマルチ・ディメンショナル・モーフィングAiR音源は、 ご予算10万円までの電子ピアノの中で最も評価出来るピアノ音源の一つです。 さらに、APシリーズ・PXシリーズの上位機種に採用されている鍵盤機構、 3センサースケーリングハンマーアクション鍵盤IIは、 予算15万円程度までの現行電子ピアノの中でも、 最もピアノに近い自然な感触のある鍵盤の一つで、 上記音源・鍵盤採用機種が実売7〜8万円台から、 存在するという驚異のハイコストパフォーマンスです。 (AP-450やPX-750は特に評価出来ると思います。) さらに、APシリーズの最上位機種AP-650MBKは、 レッスン機能はもちろんライン入力端子等も完備なので、 今後の拡張性にも幅広く対応出来るフラグシップモデルです。 反面、予算10万円台中頃からのハイエンド上級モデルは、 先行するヤマハ・カワイ・ローランドの各メーカーが強く、 メーカーのブランド力の違いもあってか、苦戦中の様です。 実機のインプレッションは、一般的評価とだいぶ違うので、 予算10万円台前半を目途に比較検討したいという場合は、 AP-650MBKと他の競合機種を、比べてみると良いです。 (少なくともローランドの同等機種よりはだいぶ良いと思います。) 5 コルグ(KORG)(コルグ電子ピアノ・デジタルピアノ機種一覧) コルグの基本性能型電子ピアノの主力モデルは、SP・LPシリーズになります。 従来、据え置き型のご家庭向けのモデルにも力を入れていたメーカーですが、 他メーカーとのブランド力の差などもあって、かなり苦戦中なので、 最近、スタイリッシュ型に特化したラインナップに変わっています。 特に、鍵盤部分が独立した電子ピアノSP-170は、 新採用の同時発音数の多いピアノ音源になり、 従来機種よりも音・表現力の面で進化しました。 (上位機種としての位置づけのSP-250やLP-350が見劣りする程です。) 反面、多機能型をご検討の場合では、コルグは注目機種がなく、 対象外という形になってしまうと思います。 このほかにも、各メーカーより様々な機種が発売されておりますが、 ただ単に、ご予算に合った電子ピアノを購入すれば良いという事ではなく、 ご用途・お好みに合わせたメーカー・機種選びと、 今後の使い方が重要になって来ますし、 特に鍵盤タッチに付いては、 完全にメンテナンスされたグランドピアノや本格的輸入ピアノに、 いつもいろいろ触れられる環境にある方は、 ピアノの先生でもなかなかいないと思いますので、 この点について、本当に役立つ正しいアドバイスを もらっている方はかなり少ないと思います。 もし、鍵盤タッチ等のピアノとしての基本性能面 での部分でご質問・ご相談等がありましたら、 事前にご連絡の上、当店にお出かけいただいたり、 メールやお電話でお気軽にお声かけ下さい。 お問い合わせはお電話(0493−22−0107)又は メールで常時受け付けております。 |
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